生牡蠣と白ワイン
マルセイユの話の続き
「 マルセイユといえばブイヤベースであり、ブイヤベースといばマルセイユである」
などと意気込み、食べ物への執着心の強い私は美味しいブイヤベースが食べれるお店を調べた。
しかし、地元の人にとって身近であると思っていたそれは、ちゃんとしたものを食べるには50ユーロは出さねばならぬという事を知り早々に諦めた。「いつか社会人になってからにとっておこう 」と
だからと言って、適当にランチする私ではない。次なるターゲットとして生牡蠣に狙いを定めた。
生牡蠣と白ワインの組み合わせはフランスで一度は挑戦したいと思っていたのだ。
初めて産地を意識して買ったワインがシャブリのワインである
その時にシャブリワインを調べているときに見たのが、生牡蠣とシャブリワインという組み合わせだった
生牡蠣と白ワイン、特にキンメリジャンと呼ばれる、牡蠣などの貝殻の化石を含む石灰質の土壌のシャブリのワインとの組み合わせは有名だ。
生の牡蠣とワインの中にミネラル分として含まれた牡蠣の化石が口の中で出会う
「これこそマリアージュではないか!!」
と一人熱くなったのを覚えている。
事前に調べていた魚屋さんがやっているというお店にいく。無難にセットメニューで10.9€の物とフライドポテト、テーブルワインのハーフボトルを注文した。
クレカを失くしたので、シャブリワインは頼まなかった(上で熱く書いたにも関わらず)
いつか牡蠣の季節である冬にリベンジしようと思う。一人ではなく、その時はシャブリワインと牡蠣のマリアージュを誰かと共有しよう。
などとテーブルワインを頼んだ事を正当化しつつ待つ事10分弱
氷に乗った生の牡蠣とムール貝、茹でた巻貝とエビが来た。
いざ見てみると
「初夏に生牡蠣って大丈夫なん?」
って不安になって来たし、
そもそも生の貝類そんなに好きじゃなかったんだよなぁ と思い出した。
とは言っても、やはり「ついに!」という期待感もあって、
気持ち消毒効果を期待して、レモンを多めに絞り食べてみた。
えっ、臭くない!
美味しいというよりも安心感が先だった。
レモンを絞った瞬間牡蠣が驚いたように少し縮む。牡蠣の殻の中の塩水でレモンの酸が薄まり、たくさん絞ったにも関わらず、口をすぼめてしまうような酸っぱさは無かった。
そしてワインを口に入れる。少し冷やし方が足りないか、でもその分果実味が増し、牡蠣とレモンだけでは足りない甘みを足しとても美味しい。
個人的には少しオリーブオイルを垂らしても美味しそうだと思った。
多分夏だからか牡蠣の濃厚さが冬よりも薄く、オリーブオイルがそれを補ってくれるのではと思った。
今度試してみよう
次に初めての生ムール貝に挑戦した。少しムール貝独特の香りを感じたが、嫌に感じなかった。これも美味しい。
そして、一番警戒していた巻貝を食べてみた。これも臭みはない!いくらでも食べられるやつである。テレビを見ながら、お酒を飲みながら食べている画が浮かぶ。
生牡蠣、生ムール貝は家では怖いが
これなら茹でてるし自分で食べられそうである。今度スーパーで買ってみようと思った(スーパーのものは臭いかもしれないが)
来た時は盛りだくさんだと思ったが一瞬で食べてしまった。
少し足りなかったが、ここもクレカを失くした事を思い出し我慢。
私の場合、このような時は節約したぶん、なんだか得した気分になるのだ。テーブルワインに続きクレカを失くしたお陰で30€くらいの節約に成功したのだと
昨晩寝てないせいか、ハーフボトルで少し酔いが回ってしまった。お店を出て港近くの要塞近くに向かう。要塞近くの海辺は岩場があって海パン姿の地元っこらしき人が飛び込んだり、泳いだりしていた。
湾内でもなかなか綺麗なマルセイユはこういう楽しみもあるのだと知り、嬉しくなった。
ブイヤベースに加え、また一つ今度マルセイユに来た時に挑戦したいものが増えたのだった