ワイン好きな象と猫

フランス生活の忘備録

ボンゴレビアンコ

一ヶ月前に遡るが

両親が年末年始にヨーロッパに来てくれ、一緒にローマ、グラナダ、マラガを旅行した。


イタリアは父が死ぬまでに行きたかった場所で、グラナダは母が死ぬまでに行きたいと言っていた場所で、今回はその二ヶ所を中心に旅程を立てた。


事の発端はある日、母と電話していた時に私の声色に元気がなかったらしく、それを心配した母が「あんた、大丈夫ね?」と言ってきた事だった(実際は元気)


元気だと言う私に対して、それでも訝しむ母が「様子を見にそっちに行こうかね」と言い、「いいやん、飛行機とか諸々とるよー」と私が答え、そこからトントン拍子で話が進んだ。大晦日で勤務を終え、元日から両親と旅行する事になった


両親が「ヨーロッパに行くのはこれが最後かもね」としみったれた事を言うので、最高の旅行にしようと、色々と調べた。ちょっとした親孝行が出来るようで、調べることが楽しかったし、嬉しかった。


晦日の仕事納めの後、部屋の片づけをして、パリ行きの始発の電車に乗るために、最寄り駅である7キロ先の駅まで重いバックパックを背負って歩いた。


歩き始めたのは深夜四時ごろ、街灯もほとんどない道をバックパックを背負って歩く姿は、きっと不審者に見えた事だろう。